MCMCを利用したベイズ推定を消費者行動モデリングに応用する方法を紹介・解説します!
本セミナーは、2024年7月2日に開催したアーカイブセミナーです。
本セミナーでは、行動経済学で議論がなされるプロスペクト理論の応用として、消費者の参照価格に関する理論の説明をしたのち、具体的な事例として消費者の参照価格の形成とブランド選択の事例を簡単な例を通して解説します。
参照価格とは、ある製品やサービスに関して、実際に売られている価格とは異なる、消費者がそれぞれ心の中に持っている“価格感”のことです。例えば、自動販売機で売られているあるペットボトル飲料に対して、ある消費者は120円が値段の相場だと思っているとします。この120円が参照価格です。しかし実際に140円で売られていた場合には、20円分の損失を感じていることになり、消費者は購買を避けたがります。一方で、100円で売られていた場合には、20円分の利得を感じていることになり、消費者の購買確率は大きく上がります。
このように、実際の消費者の製品の選択においては、実際に売られている価格だけではなく、「実際に売られている価格と参照価格の“差”」が重要であることが知られています。逆に言えば、この“差“をうまく利用することで、実際の価格を下げずとも売上数量を大きく伸ばすことも可能です。
しかし実際には、参照価格は各消費者の心の中にある価格で、観測されない変数のため、取り扱うことが難しいです。このような場面で役に立つのがMCMCを利用したベイズ推定です。
具体的には、MCMCを用いて観測されない消費者の参照価格と、そのブランド選択に与える影響について同時に推定します。この推定方法については、Rを用いた実装を行います。
行動経済学の理論のモデリングを通じた実データへの適用や、具体的な推定方法については、その基礎事項や利用上の注意点などがまとまっている書籍は多くありません。
本セミナーでは、簡単なデータ例を用いることで、参照価格の推定方法について説明します。
本セミナーでは、
等について解説します。
本セミナーを受講し、行動経済学の理論とベイズ推定をご自身の実務や研究に活かすことを目指す方、ソフトウェアの使い方だけではなくその考え方や基礎理論を学びたい皆様のご参加を心よりお待ちしています。
加藤 諒(一橋大学 准教授)
[略歴]
2016年4月~2018年3月 日本学術振興会 特別研究員DC1(採用期間中辞退)
2018年4月~2019年4月 神戸大学 経済経営研究所・計算社会科学研究センター 助教 (Assistant Professor)
2019年5月~2021年1月 神戸大学 経済経営研究所・計算社会科学研究センター 講師 (Associate Professor)
2021年2月~ 現 在 神戸大学 経済経営研究所・計算社会科学研究センター 准教授 (Associate Professor)
2022年4月~2023年3月 一橋大学 ソーシャル・データサイエンス教育研究推進センター 准教授 (Associate Professor)
2023年4月~ 現 在 一橋大学 ソーシャル・データサイエンス学部・研究科 准教授 (Associate Professor)
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