機械学習による適応的実験計画
概要
【本セミナーの学習内容】
- 下記のような、機械学習に基づく適応的実験計画の基礎事項を学べます.
- ブラックボックス関数のモデル(ガウス過程回帰モデル)
- ベイズ最適化と能動的レベル集合推定のアルゴリズムと獲得関数
- 実装の方針
- 抗がん剤臨床試験への適用事例を通じて医学研究への応用例を学べます.
- 発展的な話題として,ベイズ最適化アルゴリズムの理論的な評価方法であるリグレット解析の概要を学べます.
【セミナー概要】
適応的実験計画とは,データに基づく仮説の生成とその検証を繰り返すデータ駆動型のアプローチであり,新たな仮説がこれまでの仮説の生成・検証のプロセスに基づいて生成される点が従来の実験計画法との大きな違いです.ベイズ最適化や能動的レベル集合推定はそうした適応的実験計画のための方法であり,機械学習モデルのハイパーパラメータ最適化や材料科学における新規材料の開発や実験プロセスの最適化,創薬や臨床試験デザインなど多岐に渡って応用されています.
本セミナーでは,まず機械学習に基づく適応的実験計画の考え方(従来の実験計画法との違い,ベイズモデルによる不確実性の定量化と実験計画への利用法)を説明します.ここで適応的実験計画のモチベーションやフレームワークの全体像を捉えることができるでしょう.
次に,適応的実験計画でよく用いられる予測モデルであるガウス過程モデルについて解説します.標準的な適応的実験計画のアルゴリズムではガウス過程モデルの計算が一つの主要部分になるため,その定義,推論方法(事後分布や予測分布の導出),予測の評価と解釈に加えてPythonでの実装方法についても説明します.
その後,具体的な適応的実験計画の方法として
- 不確実性サンプリング:回帰問題(関数推定)のための適応的実験計画
- ベイズ最適化:最適化問題のための適応的実験計画
- 能動的レベル集合推定:レベル集合推定問題(全候補入力を,目的関数値があるしきい値よりも大きい入力集合と小さい入力集合に分割する問題)のための適応的実験計画
という3種類の問題に対する適応的実験計画アルゴリズムについて解説します.特に,アルゴリズムのもう一つの主要部分である獲得関数について,その種類や挙動の違いに注目した説明を行います.
適応的実験計画アルゴリズムの性質を理論的に解析する試みとしては,実際のサンプリング系列と最適なサンプリング系列の差分を評価するリグレット解析が標準的です.本セミナーでは発展的な話題として,ベイズ最適化における多くのリグレット解析の出発点となっているGP-UCB獲得関数に対するリグレット解析 [Srinivas+ICML2010] の概要を説明します.
Srinivas+ICML2010:https://icml.cc/Conferences/2010/papers/422.pdf
最後に,応用として抗がん剤第I相臨床試験における最大耐用量の推定問題への適用例を紹介します.従来の臨床試験デザインと比較して,どういった利点があり,どの程度効率化可能なのか,という点について説明します.
本セミナーを受講し、ベイズ最適化や能動的レベル集合推定をご自身の実務や研究に活かすことを目指す方、ソフトウェアの使い方だけではなくその考え方や基礎理論を学びたい皆様のご参加を心よりお待ちしています。
万が一、当日の参加が難しくなってしまった方にも本セミナーのアーカイブ動画を配信しますのでご安心ください。
皆様のご参加をお待ちしております。
【このような方におすすめ】
- ベイズ最適化や能動的レベル集合推定の基礎理論と実装方法を学び、自身の研究や開発に活かしたい方
- ブラックボックス関数の最適化やガウス過程回帰モデルに興味があり、高度な実験計画手法を業務で適用したい方
- ベイズ最適化アルゴリズムのリグレット解析など、理論的な評価方法を学びたい方
- 抗がん剤臨床試験など医学研究への応用例を通じて、新たな実験デザインのインサイトを習得したい方
【講師紹介】
松井 孝太(名古屋大学大学院 講師)
所属:名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻 生物統計学分野 講師
学位:博士(情報科学)(名古屋大学)
[略歴]
2005年4月 - 2009年3月:名古屋市立大学 人文社会学部 人間科学科
2009年4月 - 2011年3月:名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 博士前期課程
2011年4月 - 2014年3月:名古屋大学大学院 情報科学研究科 計算機数理科学専攻 博士課程後期課程
2014年4月 - 2015年3月:名古屋工業大学 工学研究科 つくり領域 / JST CREST 特任研究員
2015年4月 - 2018年5月:名古屋大学 大学院医学系研究科 生物統計学分野 / JST CREST 特任助教
2018年6月 - 2020年3月:理化学研究所 革新知能統合研究センター データ駆動型生物医科学チーム 特別研究員
2020年4月 - 現在:名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻 生物統計学分野 講師
2021年8月 - 現在:文部科学省 国家課題対応型研究開発推進事業(原子力システム研究開発事業)「MA抽出のためのフッ素系スーパー溶媒の探査」プログラムアドバイザー
2022年4月 - 2024年3月:株式会社KDDI総合研究所 データインテリジェンス部門 招聘研究員(兼任)
2024年4月 - 現在:東京工業大学特別研究員
2024年6月 - 現在:理化学研究所革新知能統合研究センター 高次元因果解析チーム 客員研究員
[主な書籍等出版物]
転移学習
松井孝太,熊谷亘著
講談社(書籍ページ, amazonページ),2024年4月11日発売
ISBN:9784065332931
ベイズ最適化ー適応的実験計画の基礎と実践ー
今村秀明,松井孝太著
近代科学社(書籍ページ),2023年8月25日発売
ISBN:9784764906631
ご参加にあたって(必ずご確認ください)
【受講料金】
一般料金:1名 11,000円
学生料金:1名 5,500円
団体申込(10名〜):1名 9,900円
【申込方法】
一般申込を希望の方は、画面上部の「一般申込はこちら」をクリックし、お支払いをお願い申し上げます。
学生申込を希望の方は、画面上部の「学生申込はこちら」をクリックし、Googleフォームへのご記入をお願い申し上げます。
団体申込を希望の方は、本サイト上部の「団体申込」よりお申し込みください。
【申込期限】
本セミナーの申込期限は以下です。期限の延長などは致しかねますので、参加をご希望の方はお早めに申込ください。
- 一般申込期限:開催日前日 23:59まで
- 学生申込期限:開催日の2営業日前 23:59まで
- 団体申込期限:開催日の2営業日前 23:59まで
【領収書発行方法】
領収書を希望の方は、下記よりお問い合わせください。
なお、学割利用の方への領収書発行はいたしかねますので、予めご了承ください。
https://seminar.no-spare.com/receipt
【注意事項】
お申し込みを検討される方は、下記について必ずご確認ください。
- 本セミナーはZoom Webinarsを用いて開催いたします。
- お申し込み後、弊社より本セミナーへのZoom参加用URLを開催当日までに送付いたします。
- 開催時間になりましたら、送付するURLよりご参加ください。
- 講義終了後からの受講申込や、講義途中からの申込およびライブ受講の欠席による返金は致しかねますので、予めご了承ください。
- 本セミナーにお申し込みいただいた方には、本セミナーのアーカイブ動画 / 講義資料 / 演習資料(演習のあるセミナーのみ)の3点を配布いたします。
- お申し込み後、諸事情によりリアルタイムでのご参加が難しくなってしまった方にも、上記3点の資料を配布いたします。
- アーカイブ配信期間は、セミナー終了より1ヶ月間です。
- 万が一、開催時間になっても事前案内メール(Zoomの参加URLや講義資料など)が届かない場合は、迷惑メールフォルダやゴミ箱に自動的に振り分けられている場合がございます。一度ご確認いただきますようお願い申し上げます。
- 参加URLはメールにてご案内いたします。no-spare.comドメインより受け取ることができるように設定をお願い申し上げます。
- お問い合わせの際は、必ず弊社コンタクトフォームよりお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。
【禁止事項】
- セミナーの録音や録画撮影などはご遠慮ください。
- セミナーで配布した一切の資料 / 動画を無断で公開、転載することは固く禁じます。
【免責事項】
- 本セミナーの内容は、事前の告知なく変更を行う場合があります。
- 主催者および講演者の諸般の事情や、天災地変その他の不可抗力の事態により、本セミナーの一部あるいは全部を中止させていただく場合があります。
- 弊社ドメインをブロックしていたことによりメールが受け取れなかったことによる参加の遅れや欠席などの責任は負いかねますので、ご了承ください。
上記が発生する場合は、当社から受講者に対して、本ページやSNS、電子メールなどで事前にお知らせいたします。
ただし、事由によっては事前のお知らせがないことを予めご了承ください。
【個人情報提供に関するご承諾について】
セミナーのお申し込みフォームや支払いフォームにご記入いただく個人情報は、当社のプライバシーポリシーに則り、適切かつ厳格に取り扱います。